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2017.01.05 13:11

年頭所感

一般社団法人 楽水会会長 田畑日出男(13漁大・13専・3修)

 新年あけましておめでとうございます。RS857NETOUF00A
皆様には、ご家族様お揃いで、清々しいお正月を迎えられたことと心よりお慶び申し上げます。
皆様には、平素より楽水会の事業活動について、温かいご理解とご支援を賜わり、厚く御礼申し上げます。

 また、昨年4月には、九州の熊本地方を震源とする震度7の地震が発生、さらには昨年10月にも震度6弱の鳥取県中部地震が発生し、各地で多くの方々が被災され、今なおご不自由な避難生活を余儀なくされていることを承り、ここに改めまして被災されました同窓の皆様に対し心からのお見舞いを申し上げる次第であります。
一方、2011年3月に発生した「東日本大震災」からの「復旧・復興」につきましては、一部には相当の進展があったとも伺っておりますが、全体的にはまだまだ道半ばの状況でありまして、水産関係の「一大拠点」である東北沿岸地域で被災され、今なおご不自由な生活を強いられている同窓の方々に対し心からのお見舞いを申し上げます。
このような状況のなかで明るい出来事は、昨年8月ブラジルのリオネジャネイロで開催されたオリンピック・パラリンピックにおいて日本選手の活躍がめざましく、とりわけオリンピックにおいては過去最多となる41個のメダルを獲得、連日の「メダルラッシュ!」に日本中が大いに沸いたことは記憶にも新しいことであります。
これらの明るいニュ―スが、2020年開催の「東京オリンピック・パラリンピック」への弾みとなってくれればよいがと祈念するものであります。

 顧みますれば、わが楽水会は1891年に水産伝習所卒業生の有志により結成され、1921年に社団法人楽水会として発展して以来九十有余年の歴史と伝統を育んでまいりました。
さらに、平成24年4月からは「一般社団法人楽水会」として新発足してから本年4月で5年目の節目の年を迎えることとなりましたが、これを契機に、楽水会の事業活動がさらに、充実したものになるよう努力して参りたいと存じております。

一方、東京海洋大学は、2003年「国立大学法人」に移行してから、すでに十数年を超える歳月を経ており、今後とも社会の要請に応え、さらなる学術・研究上の業績の進展が求められているところであり、同窓会もその一翼を担わなければならない使命があるものと考える次第であります。
このことは、楽水会の定款第3条にも「この会(楽水会)は、水産業および海洋に関する学術的進歩をはかるとともに、東京海洋大学と学生の支援、加えて、会員の資質向上及び親睦をはかることを目的とする」ことが明記されている趣旨にも合致するものであります。
上記の目的を達成するために、楽水会として次なる事業を鋭意推進して参りたいと考えております。

まず第1点は、「大学と楽水会との懇談会」の開催と内容の充実であります。
この「懇談会」は毎年秋、大学の学長はじめ教職員の幹部の皆さんと楽水会理事会との間で開催している「懇談会」であり、相互に忌憚のない意見交換を行うなかで、諸般の課題に大学と楽水会が一体となって取り組むことにその趣旨があるところであります。大学と同窓会は、「車の両輪」であり、同窓会の発展は、大学の協力なくしては考えられず、大学の発展は、同窓会からの物心両面に亘る支援と協力が不可欠であると考えているところであります。
ことに、本年4月開設の新学部「海洋環境資源学部」の円滑なる発足に際し、楽水会としても側面からの「支援」ができれば光栄であると存じております。

第2点は、楽水誌の発行であります。
毎年4回発行している機関誌「樂水」は、本年1月号を以て857号の発行に至っており、その内容については行政当局からも「楽水会による公益事業の一環」として高い評価を戴いているところであり、今後共、稲田編集委員長を中心として、楽水会の歴史と伝統に恥じない立派な内容の「楽水誌」を刊行してまいる所存であります。
就きましては、会員の皆様からも特筆すべき記事等をお寄せ戴ければ有難く存じます。

第3点は、「楽水会ランチ・セミナー」の更なる充実であります。
これは、大学の昼休み時間を活用して、原則として年8回各界で活躍している「楽水OB」による「講話」を主体として開催している「セミナー」であり、発足以来、昨年末までの学生等の参加人数は延べ3,000人近い人数に達する勢いであり、学生諸君にとって、実社会の現実を理解する上で、きわめて役立つものと期待する次第であります。

第4点は、「水産について考える会」の継続であります。
長年、竹内正一先生が主宰してこられたこの会を、101回目(2013年)から楽水会が継承しているところであります。
同会は学生のみならず社会人を対象として、水産に関する幅広い話題(増・養殖・資源分野、経営体の育成・維持、加工・流通分野、新技術等)を提供することを目的に開催され、大学の支援も受けながら開催、111回は垣添楽水会副会長、112回は小林楽水会常務理事による講演会を開催し、多くの方々にご参加頂き好評を得ました。

第5点は、楽水会支部との「交流強化」であります。
楽水会には全国各地に楽水会支部がありますが、支部の総会等に本部から理事等適任者を出席させていただき本部と支部との交流をはかり、お互いの「連携強化の柱」としているものであります。
本年も各支部からの要請があればできる限り適任者を派遣し、連携の強化をはかってまいりたいと考えておりますので、遠慮なくお申し出いただきたいと存じます。

第6点は、国際交流事業の継続と強化であります。
適宜開催している「留学生との食事懇談会」も留学生が楽水会との交流を通じ、日本の文化を理解する一助になればなによりであると思っております。
昨年8月には、私が関係しているビルの屋上で、開催いたしました「多摩川花火鑑賞会」に留学生十数名を招待したところ大変喜んでいただき、留学生諸君が初めて見る日本の「花火」の文化に素直に感動してくれたことは何よりではないかと、心から、喜んでいるところであります。
一方、学術研究奨励基金「百周年記念基金」はグローバル人材育成の趣旨に則り、学生の活動の一つである「海外探検隊」の派遣に対しても貢献している次第であります。
この報告会には楽水会からも参加しています。多くの同窓の皆さんにも学生の活躍の様子を見ていただきたいと思います。

第7点は、例年大学との共催で実施しております「合同企業就職説明会」であります。
本年も3月開催の予定でありますが、参加企業の申し込み件数はすでに60社にも及んでおり、学生の「就職活動」に対する重要な支援の役割を果たしている次第であります。昨年の参加学生数は172名に及んでいます。

第8点は、会員増強であります。
ご承知のように、楽水会の活動と運営は会員各位からいただく年会費(年5,000円)と賛助会員である協力企業からの賛助会費によって賄われているところでありますが、逐年会員からの会費納入が、低下している現状にあり、先行きの楽水会の財政については厳しい見通しにあり、過般来、このような事態に対処し、学生たちが入学後直ちに楽水会の一員として活動に参加出来るよう、「準会員制度」を導入したところであります。
昨年度は200名に近い学生が、「準会員」となっていただいたおかげで、楽水会の活性化に加え、財政事情にも少なからざる寄与を果たしているものであります。
しかし、何よりも多くの正会員よりの会費納入をお願いする次第です。

 最後に、記念事業であります。
節目の年に、「楽水会韓国交流使節団」を結成し、浦項市郊外に建立されている「快鷹丸遭難記念碑」の参拝を続けており、「記念碑の保存事業」を通じ、「日韓友好」の一翼を担っているものであります。
本年9月には「快鷹丸遭難110年」の節目を迎えることから、楽水会の理事有志を主体に小規模ながら、「使節団」を結成のうえ訪韓し、記念碑の参拝を行うこととしております。

 楽水会といたしましては、本年も昨年以上に活動のさらなる活性化を目指し、最善の努力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、会員の皆様には、尚一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。

年頭にあたり、楽水会と大学が一体になって「東京海洋大学の明るい未来を拓く!」ことを合言葉として、一般社団法人楽水会を代表しての決意を申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

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