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2016.11.01 13:12

雲鷹丸資料の追加電子化・公開のおしらせ(附属図書館)

岩松浩子 

 東京海洋大学品川キャンパスの敷地内に保存され、モノレールや高速道路からも良く見える船、雲鷹丸は本学の前身、水産講習所の第二代の練習船で、竣工してから今年で107年目を迎えます。雲鷹丸は現在では、バーク型米国式捕鯨船を型どった船型を留める、世界でただ一隻の船です。1998年には貴重な海事史資料としての価値が認められ、国登録有形文化財の指定を受けました。また、雲鷹丸を巡るエピソードとしては、次のようなドラマの記録が 残っています。

 ◇遭難した初代練習船の代船として建造
 初代練習船快鷹丸は韓国迎日湾で暴風雨のために難破し、教官1名・学生3名の計4名が亡くなりました。雲鷹丸建造計画に最も熱心にたずさわったのは、この悲惨な遭難時に教官として指揮をとっていた黒田教官でした。

 ◇捕鯨実習中、学生2名が事故死
 大正元年、金華山沖で捕鯨実習中、手負いのマッコウクジラにボートを引き込まれて学生2名が亡くなりました。この事故により、捕鯨実習は翌年から中止となりました。

 ◇世界で最初に船上でのカニ缶詰製造試験に成功
 大正3年の試験成功は後のカニ缶詰製造業への道を開き、水産界に大きな発展をもたらしました。

 ◇関東大震災で被災者約500人を救助
 大正12年、関東大震災による火災で深川一帯は猛火に包まれました。猛火を逃れて隅田川を船で避難してくる避難船にも両岸から次々に火が燃え移り、月島に停泊していた雲鷹丸にも流れ寄ってきましたが、乗員はこれらを消火し、乗っている人を助け、約500人の人々を救助しました。

 図書館では、雲鷹丸就航百周年の2009年に記念展示を行うとともに、資料の電子化・公開に力を入れてまいりましたが、このたび、平成27年度東京海洋大学学長裁量経費の措置を受け、次の2点を新たに追加・公開しました。

 ■水産講習所實習用帆蒸汽舩新造工事仕様書

 現物は北海道大学水産学部に所蔵が確認されておりましたが、このたび初めてデジタル化・公開するものです。当時、韓国迎日湾で暴風雨により座礁した初代練習船快鷹丸に代わり、水産講習所がどのような船を建造しようとしたかを示す貴重な資料です。

 ■雲鷹丸設計図面

 青焼き画像に加え、図面をトレースした高精細データを公開しました。トレースにより、従来判別しにくかった細かい部分も、はっきり表示できるようになり、今後の研究利用のための基礎資料を整備することができました。

  従来から公開している航海日誌、写真なども引き続きご覧いただけます。雲鷹丸は、本学の歴史的資料であり、日本の造船技術史上でも貴重な資料です。100年を超える歴史と、当時の技術、活躍の様子をどうぞご堪能ください。  http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/library/digital/Unyo-maru/index.html
(東京海洋大学学術情報課)

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