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2022.12.13 16:08

クラウドファンディング “「海鷹丸」で探る!南極海で生まれ育つ “魚” の暮らしと地球の未来” のお知らせ

茂木正人(40育成)

 私たちにとって南極大陸・南極海はあまりに遠く、「氷に覆われた未知の別世界」というイメージをもつ方が多いのではないでしょうか。
 しかし、日本も南極も同じ地球上にあります。私たちが住む日本やその周辺には生態系があります。そしてもちろん南極にも生物が棲み、そこには生態系があります。

 日本を含む北半球と南極の生態系は、海流や大気の流れだけではなく、海鳥や鯨など大きな動物の季節的な移動によってつながっています。つまり、南極海で起こっている気候変動・環境変動は生物のくらしに影響し、その影響は大型動物の移動を介して速やかに地球全体に伝播するといえます。もちろん逆に、日本における環境変動は南極にも影響を及ぼしていることになります。

 地球はひとつのシステム

 私たちは生態系を考えるときにこんな捉え方をします。南極海の生態系を明らかにする研究を通して、生態系の現状や地球の未来について考えていきたいと思っています。

 今回の調査では、魚やイカの赤ちゃんが南極海でどのような暮らしをしているのかについて調査します。彼ら赤ちゃんの生活を知ることは、気候変動や海氷変動がどのようなプロセスで生態系全体に及ぶのかを理解するうえで重要な要素となります。本プロジェクトでは、近年技術的に大きく進歩してきたDNA解析を用いて、世界に先駆けて生態系変動が起こる要因の一端の解明を目指します。

ハダカイワシの赤ちゃん(上、15 mm)と成魚(下、10 cm)

ナンキョクスカシイカの赤ちゃん(10 mm)


 また、この研究を通して明らかになったことを皆さんと共有し、共に地球の未来について考え、アクションを起こすきっかけとしていただくことも今回のプロジェクトの目的です。皆さんからのご支援で、実際の生物標本を用いた教材や冊子の作成を行い、ご要望に応じて日本全国あなたの街へ出かけて講演・ワークショップを開催いたします。

 南極調査には莫大な資金が必要です。通常、私たち研究者・大学教員は、競争的資金とよばれる日本学術振興会の科学研究費補助金を獲得し、研究活動を維持しなくてなりません。しかし、科研費は基本的に研究費であるため、今回のプロジェクトのように研究の成果を皆さんに公表・還元すること(アウトリーチ)にあまり大きな比重を置くことはできません。

 私たちはこのプロジェクトを通じて、南極海で起こっていることが別世界のことではなく、身近な環境問題のひとつとして考え、行動に移すきっかけとしていただけたらと思い、クラウドファンディングへの挑戦を決意しました。ご寄付という一つのアクションを通してプロジェクトに参加いただけますと幸いです。
 目標金額:480万円、3月8日までです。ご支援をどうぞよろしくお願いします。

寄付金控除型 研究プロジェクト

「海鷹丸」で探る!南極海で生まれ育つ “魚” の暮らしと地球の未来

本プロジェクトについての詳細やご支援は以下のURLからアクセスをお願いします。https://readyfor.jp/projects/nankyoku_fish/

◆ご不明な点は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。

*プロジェクト内容について:茂木正人 masato@kaiyodai.ac.jp 、立花愛子 atachi0@kaiyodai.ac.jp

*税金控除について    :長谷川 真由美(事務補佐員)mhas001@kaiyodai.ac.jp

※インターネットでのご寄付が難しい方は、長谷川までお問合せください。

今年度「海鷹丸」は、24回目の南極観測航海を行います。わたしもこの航海に乗船し、観測日誌を以下のHPとFacebookに毎日アップしていく予定です。日誌のアップは出国(1/9)からホバート入港(2/7)までの予定です。

南極ゲートウェイジャパン
https://www.jr-eaest.com/

KARE東京海洋大学「海鷹丸」南極観測隊
https://www.facebook.com/KARE.umitaka.nankyoku


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