年頭所感
一般社団法人 楽水会会長 田畑日出男(13漁大13専3修)
楽水会会員の皆様 新年あけましておめでとうございます。
皆様にはご家族様お揃いで清々しいお正月を迎えられたことと、心よりお慶び申し上げます。
皆様には平素より楽水会の活動について温かいご理解とご協力を賜わり、心より厚く御礼申し上げます。
また、2011年3月に発生した「東日本大震災」からの「復旧・復興」につきましては、一部には、相応なる進展があったとも伺っておりますが、全般的にはまだまだ「道半ば」の状況は変わらず、関連地域で被災され今なおご不自由な生活を強いられておられる同窓の方々に対し、改めまして心からのお見舞いを申し上げます。
顧りみますれば、楽水会は1891年に水産伝習所卒業生の有志により結成され、1921年に「社団法人楽水会」として発展して以来、九十有余年の歴史と伝統を育んでまいりました。
さらに、平成24年(2012)4月からは、「一般社団法人楽水会」として新発足してから、本年4月で満6年目を迎えることとなりましたが、これを契機に楽水会の事業活動がさらに充実したものになるよう努力してまいりたいと存じております。
一方、毎年年4回発行している機関誌「樂水」は、本年1月号をもって「樂水」861号の発行に至っており、その内容は、行政当局からも「楽水会による公益事業の一環」として高い評価を戴いているところであり、今後とも「樂水」誌・「編集委員会」の皆様方のご協力を得て、楽水会の歴史と伝統に恥じない立派な「樂水」誌を刊行してまいりたいと考えているところであります。
次に、東京海洋大学と楽水会の関係について、申し述べさせていただきたいと存じます。
本件につきましては、昨年9月に開催されました「大学と楽水会との懇談会」のなかでも申し上げた通りでありますが、「大学」と「同窓会」はいわば、「車の両輪」であり、同窓会の発展は大学の協力なくしては考えられず、また、大学の発展は同窓会からの物心両面にわたる支援と協力が不可欠であると考えております。
特に、東京海洋大学は2003年「国立大学法人」に移行してからすでに十数年を超える歳月を経過しており、今後とも社会の要請に応え、さらなる学術・研究上の業績の進展が求められているところであり、同窓会もその「一翼」を担わなければならない使命があるものと考えております。
このことは、楽水会の定款第3条にも「この会(楽水会)は、水産業および海洋に関する学術的進歩をはかるとともに、東京海洋大学と学生の支援、加えて会員の資質向上および親睦をはかることを目的とする」ことが明記されている趣旨にも合致するものであります。
楽水会としても上記の目的を達成するために、本年も次なる事業を鋭意推進してまいりたいと考えております。
昨年度の特記すべき事業の第1点目としては、昨年8月下旬「楽水会の主要な国際交流事業」と位置づけている「快鷹丸遭難慰霊碑」の保存と参拝事業について実施してまいりましたことをまずもってご報告申し上げます。
本件につきましては、昨年9月には「快鷹丸遭難110周年」という節目を迎えることに鑑み、楽水会理事会において、「今回は小職以下、理事を主体とした小人数の参拝団により参拝を行う」との予定でありましたところ、大学側が8月24日、練習船「神鷹丸」の釜山港への寄港に合わせ、「韓国海洋大学校等、協力校とのシンポジウム」が開催され、これに参加させていただき、8月25日(木)楽水会と大学との合同による「慰霊碑参拝」の実現に至ったものであります。
これにより「神鷹丸」の練習生を含め、約40名を超える「参拝団」が編成され、韓国・浦項市郊外に設置されている「遭難慰霊碑」の参拝を実施したものであり、「日韓交流の実」も十分達成する事ができたものと確信している次第であります。
第2点は、楽水会の重要な事業の一つである「大学との懇談会」の開催と内容の充実であります。
この「懇談会」は、毎年秋、大学の学長はじめ教職員の皆さんと楽水会理事会の間で開催している「懇談会」であり、相互に忌憚のない「意見交換」を行うなかで「重要な課題」について、「大学と楽水会が一体となって取り組む!」ことにその趣旨があります。
特に、昨年4月に開設した新学部・「海洋環境資源学部」の円滑なる運営について、楽水会としても、品川キャンパスにおける「海洋生命科学部」と同質的な支援を行う事を主眼として、大学と楽水会と永年の関係を軸に今後とも前向きに取り組んでいただけるよう特段のご協力をお願いした次第であります。
第3点は、「楽水会ランチセミナー」の更なる充実であります。
これは、大学の「昼休み」時間を活用して原則年8回、各界で活躍している「楽水OB」による「講話」を主体として開催している「セミナー」であり、発足以来、昨年末までの学生等の参加人数は、実に延べ3,500人を超える人数に達しているところであります。さらに今般、大学側の特段のご協力により、本「セミナー」への出席が大学の正式な「単位」としても換算されることに至った次第であり、楽水会としても本「ランチセミナー」の充実と継続については、さらなる努力をはかってまいりたいと考えております。
また、楽水会では、永年 竹内正一(7漁大)先生が主宰してこられました「水産について考える会」についてもしっかりと継続・継承し、定期的に開催している事をご報告申し上げます。
また、適宜開催している「留学生との食事懇談会」については、留学生が楽水会理事各位との交流を通じて、「日本の文化」を理解する一助になれば何よりであると考え、引き続き年数回、継続・開催して参りたいと考えております。
なお、楽水会が提供している「百周年記念基金」につきましては、「グローバル人材育成」の趣旨に則り、学生の重要な活動の一つである「海外探検隊」の派遣等に対しても相応なる貢献をしていることをご報告申し上げます。
締めくくりに、「楽水会」の財政問題について触れさせていただきます。
かねてより楽水会の最大の課題は、「財政問題」であります。
本件に関しましては、従前より「会員の増強」による「会費収入の増大」を「最重点課題」として取り組んでまいった次第であります。
そして、この「財政問題」に対処する施策の「大きな柱」として、大学ご当局のご協力を得て、平成27年4月より「新入学生」を入学時に楽水会の「準会員」として迎える「新制度」を導入・活用することといたしました。
しかしながら、新学部に移行した定員は楽水会ではないという大学側の判断によって、従来より楽水会に迎える予定の学生が約100名減となっております。大学ご当局による「特段のご協力」をお願い申し上げる次第であります。
なお、例年大学との共催で実施しております「合同企業就職説明会」は、本年も3月開催の予定でありますが、参加企業の申し込みは昨年は60社以上にも及んでおり、参加の学生・企業からの好評も得ているところであり、今や学生の「就職活動」に対する重要なる「支援の役割」を果たしていることに鑑み、今後とも継続して開催してまいりたいと考えております。皆様方の企業の参加をお願い致します。
以上、楽水会の活動について縷々申し上げましたが、楽水会といたしましても、本年も昨年以上に楽水会活動のさらなる活性化を目指し、最善の努力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、会員の皆様にはなお一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
年頭にあたり、楽水会と大学が一体となって、「東京海洋大学の明るく輝かしい未来を拓く!」ことを「合言葉」として、本年もさらなる「努力を行う!」事を決意申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきたいと存じます。(いであ株式会社 代表取締役会長)