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2022.02.01 16:55

われら楽水 鶴餃子たまり場日記

大谷道夫(漁大18)・石野啓造(18製大)

 大阪で行っている東京水産大学卒業生のある集まりについて紹介しようと思います。それは各府県楽水会のようにすべての卒業生を対象としたものではなく、1966年(昭和41年)の入学者を中心とする気心の知れたもの同士の自然発生的な集まりです。集まる顔ぶれは、大阪で集まりを行っているせいもあって関西圏在住者が多くなりますが、関西圏だけでなく広島、徳島、愛知など遠方からもやって来ます。

 この集まりはいまでは毎年恒例の行事のようになっていますが、当初はそうではありませんでした。各自がそれぞれの組織の中で中堅ないし先頭に立とうという年齢になった40代半ば頃から小人数で集まり始めましたが、そのころはかなり不定期な集まりで、数年に一度、場所も一定しないという恰好でした。それがあることをきっかけに定期的に同じ場所に集まるようになりました。 
 そのあることとは、筆者の一人である石野が、本メールマガジン2021年8月3日号でも紹介された「鶴餃子」という餃子専門店をJR鶴橋駅前に開いたことです。

アルバム「鶴餃子たまり場日記

 この店は2011年に開店いたしましたが、当初は同窓のものが単独ないしは数人でばらばらに訪れるに過ぎませんでした。それが翌年の2012年、「鶴餃子」で同窓会をやってはどうかという案が同窓の間で持ち上がり、それから途切れることなく毎年のように忘年会や新年会、またその両方を「鶴餃子」で行うようになりました。
 そして気がつけば、その集まりは去年(2021年)でもう10年が過ぎておりました。そこで、10年一区切りということで、「鶴餃子」での集まりの様子を一冊のアルバムにまとめてみることといたしました。ここにそのアルバムの一部を紹介します。アルバムのタイトルは「われら楽水 鶴餃子たまり場日記」としました。この10年、同店をたまり場のように利用したことにちなんだネーミングです。

 例年、私たちの集まりの時、同店は貸し切りになり、店の餃子料理はもちろんですが、そこは魚屋もいる集まりのこと、豪華な刺身や他の水産物の持ち込みもふんだんにあって、たくさんの料理とお酒を堪能しながら大いに盛り上がります。最後は決まって水産逍遥歌で締めることはもちろんです。さすがにスタンバイは店が狭いのですることは出来ませんが・・・・。

 毎年の参加者

 そこに集う人数は毎年10~16人ほどですが、その中にはいつも参加するもの、ときおり参加するものなどいろいろあって、年によって顔ぶれは少しずつ変わります。それでも両者を合わせると20名ほどがこの10年の間に何度か集まりに参加していて、たまり場仲間と呼ぶにふさわしい顔になっています。

 こういったたまり場仲間に加え、年によっては「鶴餃子たまり場」のうわさを聞きつけて遠路飛び入り参加するものなどもあって、思わぬ懐かしい顔との出会いに例年になく盛り上がることもあります。こういった面々と10年という長きにわたって途切れることなく集まりを続けることができたのは、「鶴餃子」という店の存在はもちろんですが、そこが仲間たちのたまり場となるにふさわしい気の置けない場であったからだと思います。

 ただ、われわれの年代になると、10年という歳月のなかでは避けられないことですが、悲しい出来事もあります。メンバーの中には病を得るもの、病に倒れ帰らぬ人となるものも現れ始めました。そんな中、2019年はとりわけ悲しい年になりました。
 それはこの年、いつも集まりを主催し、大いに盛り上げてくれていた北田浩三君(18漁大)を失ったことです。前年(2018年)の春には元気に奥さまとヨーロッパ旅行などを楽しんでいた彼は、その年の夏になって突然白血病を発症し、入院生活を余儀なくされることになりました。

北田君(最後列左のマスク姿)が参加した最後の忘年会

 体力的にはさぞ辛かったことと思いますが、そんな彼が病をおしてその年(2018年)の忘年会に参加してくれ、病に負けない強い意志を私たちに示してくれました。しかし、1ヶ月後の翌2019年1月薬効甲斐なくついに帰らぬ人となってしまいました。

 いつも会をリードしてくれた在りし日の北田君。その彼を偲ぼうと、他界してから3ヵ月ほど経った春のある日、追悼する会を催すこととなりました。このときの皆の思いはいかばかりだったことでしょう。北田君と過ごした日々を振り返りながら、彼への思いが募る中、彼を追悼する意味も込めて、遅ればせながら若き日に思いを馳せる大学の卒業アルバムを作ろうという提案がなされました。その成果は一冊のアルバムに結実し、たまり場仲間を中心に幾多の同期生に共有されることとなりました。

 そしてコロナです。一昨年(2020年)に続いて昨年(2021年)もたまり場に集うことは出来ませんでしたが、こんな時だからこそ、用意されたアルバム「鶴餃子たまり場日記」のページを繰りながら次のたまり場再開を心待ちしたいと思います。 

たまり場仲間紳士録似顔絵(大谷原図)

 このアルバムの最後に、写真ばかりのページに少しの彩を添えようと、たまり場仲間20名の似顔絵を紳士録として用意いたしました。写真の表情とは異なる似顔絵の魅力はその人の持つ「ぬくもり」を表現するものだと言われます。もちろん、今回提供の似顔絵は素人の俄か絵描きが戯れに描いたようなものなので、そのような高尚な表現になっているとは思いませんが、それでもそれぞれの個性的表情にそんな「ぬくもり」を感じていただければ幸いに思います。ところで、1966年入学のみなさんはこの似顔絵をご覧になって誰が誰かわかりますか?

 私たちたまり場メンバーの活動はコロナさえ落ち着けばすぐにでも再開されるでしょう。そのようなときが来たら今度はいまより広く参加者を募り、たまり場第二段として、バージョンアップした素敵な会に出来ればと思います。いまメールマガジンをご覧の関西圏にお住いの方で、私たちと同じ年に入学された方がいらっしゃいましたら是非一度参加してみてください。喜んでお招きいたします。もちろん関西圏以外の方も遠路大変かもしれませんがお越しいただければ大歓迎です。新たに参加されたい方は筆者の一人である大谷までメール(メールアドレス:balanus2021@gmail.com)でご連絡ください。開催が決まりましたら、メールにて連絡配信させていただきます。 多くの方の参加をお待ちいたします。

 

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