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2016.04.01 16:10

相撲甚句で綴る震災5年のあゆみ

須能 邦雄(16漁大16専)

 私は高校・大学と相撲部に籍をおき、体を鍛えました。30代に入り相撲甚句を嗜み、今も宴会などで場を盛り上げています。
自己紹介では東京水産大学相撲学部・音楽科、卒論「相撲甚句」と称しています。
 震災後、時折々に皆さんを元気づける為に甚句を作詞し唄っており、この度、5年目の節目に当たり感想を求められたので『震災甚句』を調べてみたら世相を反映しているので投稿した次第です。

(1)震災49日目 がんばろう 石巻(23年4月13日 FM石巻にて放送)-反省と決意
 ハアー ドスコイ ドスコイ
 ハアー エー 3・11 大惨事の話ヨー
 ハアー 頻発地震で慢性化 心のすき間に大津波
 千年振りとは云うものの 実態不明の我々は
 勝手に決めたる想定で 自然の脅威をうとんじて
 多くの悲劇を生みました
 無念のおもいを背に受けて 生かされし者の役割は
 日本の仕組みを転換し
 人間性の回復で 新たな社会の再構築
 心を一つに結集し 復興目指して進みます
 がんばる市民は ヨーホホホィー
 ハアー 石巻ヨー
 ハアー ドスコイ ドスコイ

(2)復興元年 辰の年(24年1月1日 石巻市賀詞交歓会で披露)-覚悟と決意
 ハアー ドスコイ ドスコイ
 ハアー 辰年 期待を 甚句に問えば ヨー
 ハアー 平成・三陸・大津波 福島・原発・大惨事
 千年振りとは云うものの 自然の脅威をうとんじて
 過剰に拡大し続けて 遂に鉄槌下された
 多くの犠牲を背に受けて 生かされし者の役割は
 艱難辛苦を乗越えて 歴史の転換図ります
 復興元年 辰の年 昇龍・強運 すべて良く
 独立自尊の精神と 共助・公助の力出し
 新たな時代の幕開けに 郷土の力を結集し
 新生日本の創造に 達成目指して励みます
 どうぞ 御支援 ヨーホホホィー
 ハアー 願います ヨー
 ハアー ドスコイ ドスコイ

(3)復興巳の年 脱皮の時機(とき)(25年1月1日 石巻市賀詞交歓会で披露)-鎮魂と希望
 ハアー ドスコイ ドスコイ
 ハアー エ 復興巳の年 甚句に問えば ヨー
 ハアー 平成・三陸・大津波 福島・原発・大惨事
 人類試練の大災禍 冠水・風評・資金繰り
 難問関門あるけれど 東北人の粘り腰
 臥薪嘗胆耐え忍び 新たな年を迎えます
 脱皮で成長し続けて 高齢化社会に相応しく
 生きがい高める街づくり 老若男女が相集い
 自然と調和と共生と 新たな価値の創造に
 無念の仲間に鎮魂と 希望の陽光(ひかり)掲げます
 どうぞ 御支援 ヨーホホホィ―
 ハアー 願います ヨー
 ハアー ドスコイ ドスコイ

(4)復興午(うま)年 再生期(26年1月1日 石巻市賀詞交歓会で披露)-躍進と再建
 ハアー ドスコイ ドスコイ
 ハアーエー 復興午年 甚句に問えばヨー
 ハアー 復興期間の三年間
 快馬一鞭新局面 迎える二期目は再生期
 天馬が翔ける大躍進
 左馬由来の『舞う』の如く
 千客万来店繁昌 不撓不屈のシンボルの
 東北楽天優勝が 被災地市民を勇気づけ
 希望と夢が甦がえり
 地域再建加速する
 輝け伝統の ヨー ホホホィ―
 ハアー 地元力 ヨー
 ハアー ドスコイ ドスコイ

(5)震災5年目『未(ひつじ)年』(27年1月1日 石巻市賀詞交歓会で披露)-団結と堅実
 ハアー ドスコイ ドスコイ
 ハアーエー 震災5年目 飛躍の年 ヨー
 ハアー ドスコイ ドスコイ
 復興課題も数多く 団結心もゆらぎ出し
 前進スピード 鈍る時期
 干支の未のモットーは 仲間が群がり穏やかに
 故郷復興実現と 象形文字の『美』を生んだ
 謙虚に原点回帰です
 復興シンボル『魚市場』 晴れて本年完成し
 市民の心も結集し 堅実・着実 歩を進め
 新生『石巻』が甦る
 夢の実現 ヨーホホホィ―
 ハアー 築きます ヨー
 ハアー ドスコイ ドスコイ

(6)石巻魚市場水揚棟完成を謝す(27年9月1日 祝賀会で披露)-完成と感謝
 ハァー ドスコイ ドスコイ
 ハアーエー 日本の誇りの 水産のはなしヨー
 ハアー 世界の自慢の 三陸沖を
 金華漁場と申します
 父性の親潮・厳しくて 鍛えた魚群は逞しく
 母性の黒潮・暖かく 稚魚の育成支えます
 陸前・陸中・陸奥含め 三陸リアスは渦漁場
 仙台湾から相馬沖 常磐沖やら九十九里
 遠浅砂地の好漁場
 大量処理も機械化し 匠の技の複合と
 異国文化が融合し 商品開発・地位向上
 健康志向の世の中で 魚食普及も効奏し
 和食ブームに火がついた
 震災復興のシンボルと 国を挙げての御指導に
 国際基準の達成を 目指すは高度な衛生管理
 本日 目出度くお披露目に 市民あげての感謝の宴
 どうぞ 御支援ヨーホホホィ―
 ハアー 申しますヨー
 ハアー ドスコイ ドスコイ

(7)震災六年目【丙(ひのえ)申(さる)】(28年1月1日 石巻市賀詞交歓会で披露)-教訓と誇り
 ハアー ドスコイ ドスコイ
 ハアー 丙申(ひのえさる)年 甚句に問えば ヨー
 ハアー 東日本の震災の 教訓残して前進む
 ことわざ通りに 悲しみや不幸な出来ごと
 忘れ去る(猿)
 復興団結実を結び 会社・工場再建し
 インフラ整備も着実に 街に笑顔が戻る年
 旭に耀く三陸の 食材宝庫の復活を
 世界の民が待っている
 驚異の復活 世に示す
 大和民族の 誇りなり
 翔たけ郷土のヨーホホホィ―
 ハアー 若人 ヨー
 ハアー ドスコイ ドスコイ

 23年・24年・25年は鎮魂と復興実現の為の団結を、26年・27年・28年は復興に向けての躍進と支援への感謝とを唄っております。
引き続き、賀詞交歓会に出席する限り干支に因んだ相撲甚句を披露し続けたいと思っております。
(石巻魚市場(株)社長)

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