2020.03.05 18:24
退職の言葉 ーありがとうございましたー
河野 博(27漁大16修)
1977年 大学3年生の夏に安田富士郎先生の魚類学研究室の門をたたいてから40年間は、「感謝」の連続でした。卒論と修論はイタリアのシチリア島でマグロやメカジキの研究をさせてもらいました。
博士課程に入学した翌年、安田先生が他界されました。50歳は早すぎです。そこで私を拾ってくれたのが安田先生の同級生の多紀保彦先生です。 博士号を取得した後に、「東南アジアを勉強してこい」という多紀先生の一言で、東南アジアで七年間風太郎をするという貴重な経験もしました。
1991年には東京水産大学の助手として採用され、多紀先生とともに東南アジアを中心にした研究や教育に励む事ができました。ちょっと残念なこともあります。多紀先生には「君は魚類学の王道を行け」と言われたのですが、私の仁徳至らず、あまりご期待には添えませんでした。
1996年に身体に変調をきたし、ご覧のとおりの病弱な身になりました。しかし、海外から東京湾に視点を変えて、教育研究を続ける事ができました。一昨年には還暦のお祝いをしてもらい、1991年以降に巣立った300人ほどの卒業生のうち100人以上と再会することができました。
私の教育研究の業績は上の488文字だけです。
それでも 東京水産大学でも東京海洋大学でも学生さんや朋輩の方々に恵まれ、さらに諸外国だけでなく国内でも多くの方々のお世話になり、とにかく楽しい「感謝」の40年間でした。
ありがとうございました。
(東京海洋大学 名誉教授)