大学1年生を終えて
入来院 祥子(海洋生命科学部 海洋政策文化学科2年)
私は現在、東京海洋大学 海洋生命科学部 海洋政策文化学科2年に所属しています。ここでは、去年1年間で経験したこと・学んだこと、将来の夢についてまとめようと思います。
まず、去年1年間で経験したこと・学んだことの1点目は、上京して一人暮らしを始めたことです。私は北海道帯広市出身で、第一志望が北大法学部だったので、高校3年の冬休みが終わるまで上京する予定はありませんでした。むしろ、道外には絶対出たくないと思っていました。受験期の第一志望は北大法学部で浪人する予定だったのですが、受験に疲れてしまい、後期に受験する学校を探していたところ、東京海洋大学を発見しました。
海洋大には文系で受験することのできる学部が存在し、また、両親が海洋大の前身である東京水産大学を卒業していたため、自分にとって昔から馴染みのある大学だったこともあり、海洋大を受験することに決めました。後期で合格したため、上京する覚悟もほぼできていないまま東京に来てしまったので、最初はとても不安でした。地元には高層ビルなどもちろん存在せず、電車のローカル線すら通っていないような田舎だったので、初めて品川駅に降り立った時は今すぐ帯広に帰りたいと思いました。また、地元が北海道ということもあり、気候の違いにかなり苦労しました。
しかし、同じ寮生の友達や、部活の同期に東京の地理を教えてもらい、だんだん東京を楽しむことができるようになっていきました。友達には感謝しかありません。今では、上京したおかげで、北海道にいたら絶対に知らなかったことや経験できなかったことが多かったと感じているので、上京してきて良かったなと思っています。また、道外に出ることで初めて気づく地元の魅力を知ることができたので、上京するという選択は間違っていなかったのだと感じます。
2点目は、ダイビングを始めたことです。私は、第一志望が法学部だったこともあり、入学時は海についてほとんど興味がなく、地元も海から遠い場所だったので、海で泳いだことすらありませんでした。地元では夏でも海に入ると寒いため、海に行っても景色を楽しんだり、ジンギスカンBBQくらいの楽しみ方しか知らなかったので、まさか自分が海に潜るようになるなんて思いもしませんでした。
自分がダイビングを始めたきっかけは、潜水部に所属したことです。海洋大のパンフレットを眺めていたら「潜水部」という部活を発見し、せっかく海の学校に来たのなら海系のことをやりたいと思い、潜水部に入部することにしました。私は1年の5月頃にダイビングのライセンスを取得したのですが、その時に人生で初めて海で泳ぎました。
初めて海の中に入り、想像以上に魚がいることに驚きました。今まで魚は沖の方まで行かないと見れないと思っていたのですが、水深1〜2mの浅いところにもクサフグなどの魚がいて感動しました。それから、一気に海や海洋生物についての興味が湧き、海にのめり込んでいきました。
今では、水中カメラを購入し、ダイビング中に見た生物を写真に収め、ダイビング後にそれらの生物の同定を行うことが楽しくてたまりません。先日も小笠原に1週間程滞在し、たくさん潜ることができました。普段潜る三浦などでは見られない生物がたくさん見れて、とても充実した1週間を過ごすことができました。
最後に、自分の将来の夢について書きます。自分にはまだ明確な将来の夢がありません。現状、専攻科に進むか大学院に進学するかで迷っています。入学直後に行われたフレッシュマンセミナーで海鷹丸に乗船したり、小笠原まで24時間の船内生活を経験した結果から、自分は船に乗るのが好きだと感じたので、専攻科に進むのもありだと感じるようになりました。しかし、もともと研究職に就きたいと思っていたこともあり、大学院進学への夢も捨てきれません。また、最近ではダイビング関係の仕事に就くのもありだなと感じるようになってきました。履修の関係上、とりあえず専攻科に進むか大学院に進学するかをこの1年で決めたいなと思っているので、この1年間様々な経験を積み、様々なことを学び、良い選択ができたらと思っています。
海洋大に1年間通った結果、1年で人はこんなにたくさんの経験をすることができるのだなということを強く感じました。この1年で自分は、北海道の田舎を出て東京の大都会で生活し、泳いだことすらなかった海に潜るようになり、小笠原など行ったこともないような場所に行くなど、とても充実した1年間を過ごすことができたと思います。このような体験は、時間に余裕のある大学生活の間でしかできないことだと思います。これからの大学生活では、昨年以上にたくさんのことを経験し成長したいと思っているので、健康に気を付けつつ頑張っていこうと思います。