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2017.04.03 15:33

東京海洋大学の新学部 海洋資源環境学部設立時の同窓会体制(これまでの経緯)について

谷口泰史(18製大)

 楽水会の理事会では2016年11月2日に表題について初めて検討しました。大学側からの申し入れ内容は,新学部は今までの学部とは分離した新設学部で,大学院もすでに一本化されているので,同窓会も三つを立ち上げた後に一本化したいとの希望です。すなわち,新学部が品川キャンパスに設置されるから自動的に楽水会に所属する,との考えは受け入れられないとのことです。

 大学側の意向も理解できますが,同窓会の一本化には諸問題があります。会員諸兄姉および海洋大の教職員に理解を深めてもらいたいとの思いから,同窓会の運営上の具体的な検討課題について情報を提供させていただきます。

 田畑会長は,海洋大執行部の先生方の言われるとおり,同窓会も一本化するのが望ましいとの考えです。竹内学長から提示された資料には,海洋生命科学部の同窓会は「楽水会」。海洋工学部の同窓会は「海洋会」。海洋資源環境学部の同窓会は「楽水会+海洋会」と簡略に記載されています。

 我々は楽水会の歴史をよく知っていましょうが,海洋会の歴史についてはご存知ない会員や先生方が多いかと思います。海洋会は,東京海洋大学海洋工学部(旧東京商船大)と神戸大学海事科学部(旧神戸商船大)および海技教育機構(海技大学校本科)との3団体連合の同窓会です。2016年10月号の海洋会機関誌『海洋』(以下,『海洋』と称す)の編集後記には以下のように記されています。

 “普通は一つの大学(または学部)に一つの同窓会誌があるが,海洋会は別々の大学が一つの同窓会誌を作っている。全国的にみても珍しい。その理由は三つの大学の学生が実習のたびに「同じ釜の飯」を経験し,入社する前からお互い気心が知れているからだと。その独特な組織はいつまで続くのか,否,いつまで続けられるのか。”

 また,2017年1月号『海洋』に掲載されている海洋会会長 山本 勝氏の挨拶文では,“海洋会は三つの大学の同窓会になっているが,神戸大の海事科学部は,神戸大の11番目の学部として再スタートし,現在,海事科学部の同窓会機能は「海神会」に集約されている”と記されています。

 2016年12月15日に開催した楽水会 常務理事会では,再び同窓会についての考え方を討論しました。田畑会長からの説明資料に基づく発言は次のとおりでした。

 “新学部の同窓会は卒業生が出るまでに4年あるので,それまでには同窓会の一本化を検討するとして,とりあえずは新学部が品川キャンパスにできることから,楽水会が世話をするのが当然ではないか”との意見です。皆様にもぜひ考えてほしいと各理事への宿題で閉会しました。

 両同窓会の運営の違い(定款も含めて)を以下に記します。

① 定款の目的

 楽水会は,海洋大の支援。

 ‌海洋会は,会員の出身校の発展に寄与(母体機関が三つあるため)。

② 会員と社員:会員の資格は同様。

 ‌会員会費(年額)は,楽水会5,000円。海洋会9,600円(月額800円×12)。楽水会は原則,年会費を収めた人を会員とする(2年間未納で資格喪失)。海洋会は3年滞納で資格喪失。

 ‌社員の役割はほぼ同様で,定数が異なる。楽水会は会員30人に1名の社員の割合で130人の定数。海洋会は50人に一人で定数83人。

 ‌社員選挙の方法も両者で異なる。楽水会は立候補者が多い場合は選挙(会員は誰でも立候補可)。海洋会は立候補に会員10名の推薦が必要。かつ社員選出委員会が83名を名簿にして『海洋』誌に掲載し,承認できない社員をはがきで指名する。

③‌ 組織:総会,役員,理事会,委員会は同様。海洋会は複数機関の同窓会で構成するので支部多数。そのため常勤理事(報酬あり)が多い。

④‌ 資産と会計:楽水会の総資産は16年総会報告で4,751万円。大部分が現金資産。海洋会の総資産は16年総会報告で4億2,618万円。内訳は土地と公社債の資産が2億3,770万円,建物備品の資産が1億812万円,特定資産(諸々の引当てと積立て)6,470万円。

 現在,東京海洋大学に統合(2003年10月)されて13年余が経過し,新学部もできたので同窓会も一本化する方向の検討が始まろうとしていますが,楽水会(東京水産大学)と海洋会(東京商船大学,神戸商船大学,海技大学校本科)の先輩たちが積み立てた資産で90年以上運営してきた二つの同窓会は,それぞれの文化と歴史をもっています。

 同窓会の統合には,今後の検討と会員の納得合意に時間がかかりそうです。しかし,話し合えば必ず方向性は見出せると考えます。私も両者の話し合いに参加して,これから同窓会のあり方を協議してゆきたいと思っています。

同窓の皆様にもぜひ考えてほしい課題です。

 最後に,新学部の定員設定に関する大学のガイドブック資料を掲載します。新学部の定員のほぼ全員が,海洋科学部から移ることになっています。

(事務局 注) 東京海洋大学は,平成29年4月に海洋資源環境学部の設置(品川キャンパス),海洋科学部から海洋生物科学部への名称変更および海洋科学部の編入学の定員設定を下記のとおり行います。

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