メールマガジン

トップ > メールマガジン > 水産技術史編集のその後
2021.08.03 18:59

水産技術史編集のその後

原 武史(7増大)

 楽水会百周年記念誌の作成については、すでにメールマガジンや楽水誌で紹介されていますので、会員の皆様はご承知のことと思います。記念誌は第一部楽水会創立百周年記念事業、第二部楽水会の歴史と組織、第三部水産技術史から構成することで、各種の作業が進められています。新型コロナウイルス禍の影響もあって、記念式典は公告されていますように、1年延期されて来年6月11日(土)に行われますので、記念誌の発行も遅れることになります。

 水産技術史の編集は、多くの会員の皆様の絶大なご協力の下、原稿提出期日の本年3月末までには、かなりの原稿が編集部に寄せられていますが、その後の進捗状況について、楽水会事務局の求めに応じて、会員の皆様にお知らせすることとしました。

 水産技術史の原稿は、漁業・水産資源、製造(利用加工)、増殖・環境、水産経営、水産教育の分野別に作成することが理事会で承認され、表1に示すような方々に執筆を依頼しました。原稿の締め切り後の記念誌委員会では、分野ごとに編集委員会を設置して、原稿の最終的な調整を行うことが決定されました。編集委員会は次の方々によって構成されます。

編集委員長      : 原 武史(7増大)

漁業・資源  : 竹内正一(7漁大)、井上喜洋(14漁大)、森永勤(16漁大)、櫻本和美(23漁大)、
         根本雅生(31漁生)

製造(利用加工): 高井陸雄(特会)、岡崎惠美子(25食品)、石崎松一郎(34食工)

増殖・環境  : 原 武史、佐藤秀一(29増大)、佐野元彦(33養殖)、荒川久幸(34海工)、
         吉崎悟朗(36養殖)、坂本 崇(39育成)、二羽恭介(39育成)

事務局    : 小島伸一(20漁大)

 過日の委員会では、原稿の提出状況等について報告がありましたが、早急に検討しなければならないいくつかの問題点が提起されました。その第1は水産技術史という名称についてですが、提出された原稿の内容を見ると、水産技術史よりはむしろ「水産技術百年の歩み」のようなタイトルが適しているのではなかと考えたことです。

 第2は提出された原稿が予定の300頁を大幅に上回ることが分かりましたので、どのように頁数を減らせるかが大きな問題となりました。そこで、編集委員会で協議した結果、引用文献を記載しないこと、図表、写真等を削除することを決定し、著者に字数の削減を含めて原稿の修正をお願いすることにしました。これでも予定頁数を超える可能性がありますので、編集委員会でどのように削減するか議論されましたが、最終的には編集委員会と著者との話し合いによって、解決しなければならないと考えています。編集委員会からこの件について照会があった場合には、著者の方々の絶大な協力をお願いする次第です。

 第3は編集上の問題として、余白部分を有効に使うために、コラムの新設を決定したことです。楽水会の会員によって開発された水産技術について、その内容、技術開発の経緯等を紹介しようという企画です。分野ごとにどのような技術があるか、今後、編集委員会で検討することとしていますが、会員の皆様方からの積極的な提案をお願いします。

 第4は提出された原稿について、体裁等を統一することが必要との判断から、最終的には科学技術に精通した専門の編集者の校正を受けることとしました。

 記念誌の発行が来年度にずれ込んだことから、編集に必要な時間は十分に確保できる見通しでいますが、コロナ禍の影響もあって自由な議論の時間を作ることが難しい状況となっていますので、完成までには時間的制約が大きくなることが懸念されます。

 以上のように、水産技術史の編集作業の途中経過を報告いたしました。どのようなものが出来上がるか会員の皆様も楽しみにお待ちいただきたいと思っております。

表1 楽水百年の歩み(仮題) 目次案

章・節 項 目 執筆者
  発刊にあたり 百周年記念事業委員長
  ご挨拶 楽水会会長
  百年史の刊行を祝して 学長、
  目次  
第1部 楽水会創立百周年記念事業  
  記念事業と委員会  
  記念式典  
     
第2部 楽水会の歴史と組織

 

森永勤(16漁大)

黒岡誠一(18製大)

栗本洋二(18製大)

小島伸一(20漁大)

松野隆(21漁大)

岡本信明(22増大)

所英樹(25食大)

洲脇みどり(31海工)

藤原圭子(31増殖)

荒川久幸(34海工)

鶴留佳美(37食工)

山本司真(45海洋)

  年表
  楽水会の組織・運営の歴史
1  楽水会の前身
2  楽水会の成立と会誌『樂水』
3  楽水会組織
楽水会が行ってきた主な活動
1  戦前の活動(水産講習所の時代)
2  昭和の活動(東京水産大学の時代)
3  平成の活動(東京水産大学か東京海洋大学への時代)
4  一般社団法人楽水会の活動
現在の活動(令和の時代)
1  講演会及び講習会の開催
    ランチ・セミナー
    ボート教室
    水産について考える会
2  会誌の発行及び資料の刊行
    会誌
    メールマガジン
3  東京海洋大学及び学生に対する支援
    学術研究奨励基金
    合同企業就相談会(就職・進路相談)
    課外活動・卒業記念支援等
    国際交流
4  会員の啓発及び交流と親睦
    親睦団体支援事業
    セミナー・講演会等の開催
5  会員の増加対策
支部の活動
第3部 水産技術百年の歩み  
総論 原武史(7増大)
水産行政の流れ 重義行(22漁大)
漁業  
1 総説 井上喜洋(14漁大)
2 マグロ延縄漁業 熊沢泰生(21博)松田佳之
3 近海底曳網漁業 服部廉、箕澤毅、北岡宏
4 遠洋底曳網漁業 木下弘実、貝田昴大
5 まき網漁業 熊沢泰生(21博)貝田昂大
6 母船式漁業 伊藤翔
7 捕鯨 山村和夫(18漁大)
8 沿岸漁船漁業 熊沢泰生(21博)
9 定置網漁業 井上喜洋(14漁大)
松平良介(49海洋)中川智之
10 漁具素材等 佐々木成規(38養殖)
熊沢泰生(21博)
資源  
1 水産資源学の理論的発展 渡邊精一(16増大)
2 IWCの鯨類の資源管理 櫻本和美(23漁大)
3 資源管理、繁殖保護技術の「保護区、禁漁、TAC」 田中栄次(30漁生)
4 種苗生産、栽培漁業技術 濱田研一(24増大)
漁場開発        
1 漁場探査技術 爲石日出生(20漁大)
2 魚探はメタハイも捕まえる 青山千春(26漁大)
3 バイオロギング研究手法 内藤靖彦(13漁大)
4 人工魚礁 谷内修(29増大)
製造  
1 総説 岡崎惠美子(25食品)
高井陸雄(特会)
2 冷凍すり身化技術・練り製品製造技術の発展 岡崎惠美子(25食品)
3 冷凍マグロの変色防止と超低温冷凍、新規冷凍技術 鈴木徹(27食工)
4 加工食品の品質保持と容器包装技術 三富暁人
5 水産加工品の変色と酵素の制御技術 山澤正勝(14製大)
6 発酵食品と微生物利用の新展開 藤井建夫(特会)
7 水産油脂の利用技術 小林幸芳(15製大)
8 EPA・DHA等水産物資質の機能解明と利用 後藤直宏
9 活魚・生鮮魚 井岡久(28食生)
10 餌料・飼育法の改善による高品質化・高付加価値化 長阪玲子(48育成)
11 低・未利用資源の有効利用と食品 石崎松一郎(34食工)
12 調味技術と水産物エキスの活用 村田裕子(36食工)
13 鮮度と品質のセンサー開発 濱田奈保子(特会)
14 安全・安心を裏付ける技術開発 湯川剛一郎
15 新規加工機械 林英一(10製大)
増養殖及び環境等   
   1 総説 原武史(7増大)佐藤秀一(29増大) 佐野元彦(33養殖)荒川久幸(34海工)
   2 魚種別増養殖技術  
    1) ニジマス 原武史(7増大)
    2) 在来マス類 原武史(7増大)
    3) サケ・マス人工孵化放流 野村哲一(18増大)
眞山紘(15増大)
    4) アユ 桑田知宣(37養殖)
    5) コイ(食用) 川野辺誠(35養殖)
    6) キンギョ 岡本信明(22増大)
    7) ウナギ 服部克也(30増大)
立木宏幸(31養殖)
    8) ぶり類 熊倉直樹(44育成)
平田喜郎(55育成)
    9) マダイ 澤山英太郎(41修)
   10) ヒラメ 芳賀譲(44育成)
   11) マサバ 矢澤良輔(48育成)
   12) トラフグ 濱崎将臣(博)
   13) ギンザケ 熊谷明(博)
   14) シマアジ 川辺勝俊(37漁生)
   15) はた類 川辺勝俊(37漁生)
   16) クロマグロ 伊藤暁(28増大)
   17) アサリ 鳥羽光晴(26増大)
   18) ハマグリ 鳥羽光晴(26増大)
   19) カキ類 佐々木良(20増大)
   20) ホヤ 佐々木良(20増大)
   21) ホタテガイ 川眞田憲治(18増大)
   22) アワビ 小池康之(14増大)
   23) 真珠 青木秀夫(10博)
   24) クルマエビ 末光正典(22増大)
   25) ノリ 二羽恭介(39育成)
   26) ヒトエグサ 前川行幸(9修)
   27) ワカメ 西洞孝広(35養殖)
   28) コンブ 前田高志(海1)
   29) モズク 勝俣亜生(23増大)
   30) クビレズタ 勝俣亜生(23増大)
   3 育種・バイテク関連技術  
    1) 性統制・染色体操作・遺伝子導入・細胞操作技術 吉崎悟朗(36養殖)
    2) 表現型選抜・マーカー選抜 坂本崇(39育成)
   4 養殖システム技術  
    1) 養殖システム技術 竹内俊郎(21製大)
    2) 海面養殖いけすについて 水上洋一(15漁大)
   5 内湾・沿岸の水産利用と環境  
   1) 藻場・干潟・サンゴ礁 荒川久幸(34海工)
井上公人(40海洋)
    2) 赤潮、貧酸素水塊対策 奥村裕(38海工)
大村卓朗(44育成)内田肇(博)
    3) 環境影響評価技術 細田昌広(25海工)
海外への技術協力  
    1 海外漁業協力財団の技術協力 首藤剛(32海工)
    2 JICAの技術協力 三国成晃(32漁生)
水産教育 佐々木剛(38養殖)
水産経営・経済 婁小波(34漁生)
  編集後記 記念誌委員長

 

 

 

TOP