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2023.07.31 16:43

学生たちの望ましい自己実現を目指して(Ⅰ)  ~“Life is Career” キャリア支援センターに着任して~

鈴木 光俊(34漁生)

 平成26年春より、本学学生のキャリア育成・支援にご尽力いただいた塩谷和美先輩(20漁大)の後任として、令和5年4月に、東京海洋大学キャリア支援センターに着任いたしました鈴木光俊と申します。よろしくお願いいたします。

 私は昭和57年4月に、東京水産大学水産学部漁業生産学科に入学しました。指導教官は有元貴文先生(22増大)でした。水産生物研究会に所属し、千葉県にあった小湊実験実習場や西表島・石垣島の海でフィールドワークを行っていました。漁業情報学研究室に所属し、小倉通男先生(51漁)、竹内正一先生(7漁大)のご指導をいただきながら卒業研究に取り組みました。昭和61年3月に学部を卒業し、水産専攻科漁船運用学専攻に進学、翌年の昭和62年3月修了後、大洋漁業株式会社(現在のマルハニチロ株式会社)に海上職員として採用されました。大型トロール漁船の航海士としてベーリング海(スケトウダラ)及びニュージーランド沖(ホキ)に出漁しました。その後、九州支社冷凍職員課に異動となり、福岡県南部(久留米・大牟田・八女・柳川等)及び長崎全県(長崎市・佐世保・諫早・大村・島原等)で、冷凍食品の営業活動を行いました。島原で雲仙普賢岳の噴火があったのは、ちょうどこの頃になります。

 平成5年4月に東京都の水産科教員として、東京都立大島南高等学校(現東京都立大島海洋国際高等学校)に着任し、水産・海洋教育、実習船教育に従事いたしました。また、東京海洋大学との連携教育を目指して、平成15年8月より協議を開始し、平成16年3月に協定合意に至りました。それにより、在校生に対して大学教員による出張講義や、夏季休業中の大学での高大連携公開講座(集中講義受講)等が開始され、進路指導と学習指導の充実を図ることができました。平成24年より教育管理職として、大島海洋国際高等学校及び総合学科高等学校3校に勤務し、30年間の教員生活を過ごし、令和5年3月末に定年退職となりました。セカンドキャリアを考えた際、後輩たちの自己実現の支援をしたいと考え、本学のキャリア支援センター、プロジェクト教員募集に応募し、採用していただきました。大学生への支援は初めての経験ですが、学生たちの望ましい自己実現に少しでもお手伝いできるよう、鋭意努力してまいります。

 私が東京水産大学を卒業してから36年間の間に、大学自体も大きく変化していました。東京商船大学との発展的統合、学部学科の改編、入試制度の改革等、「競争的環境下での個性輝く大学」を目指して教育・研究・社会連携を一層進めながら、大きく変革を遂げていました。また、大学の周辺も天王洲アイルや品川駅周辺の再開発等に伴い、様変わりしていました。港南は学生の街というよりも、ビジネスマン対象のおしゃれな街に変貌を遂げており、学生時代に大変お世話になったラーメン屋さんが無くなっていたことは、大変衝撃的でした。しかし、老夫婦が仲良くキャンパス内をお散歩していたり、近隣の幼稚園・保育園から、可愛いお客さんが来ていたり、私が学生時代には目にしなかった風景も見られるようになっています。

 さて東京海洋大学は、平成23年に文部科学省人材育成費補助事業である「ポストドクター・キャリア開発事業」への採択を受けて、「キャリア開発室」を設置しました。平成31年度より、従来からあった「就職支援室」と「キャリア開発室」を統合、「キャリア支援センター」と改称され、今年で5年目となります。
 センター長である婁小波副学長以下、副センター長2名、キャリア・アドバイザー3名、事務室長以下学生サービス課キャリア支援係4名の合計10名で、品川キャンパス及び越中島キャンパスのすべての学生を対象に業務を行っています。コロナ禍の影響を含め、進路決定に向けたプロセスは、毎年変化しています。私が学生時代には存在していなかった組織ですが、令和の時代には必要不可欠な組織となっています。

 令和4年度卒業・修了の学生たち(学部・海洋科学専攻科・乗船実習科・大学院前期課程及び後期課程の卒業・修了者:835名)の進路希望は、就職希望者数:496名(全体の62.2%)、進学希望者数:306名(全体の36.6%)となっていました。つまり卒業・修了者全体の60%強が就職、40%弱が進学を希望したということになります。そのような内訳の中で、就職決定率は95.6%、進学決定率は97.7%となっています。また先日、令和5年度国家公務員採用試験(総合職)の最終合格者発表があり、本学出身者では22名(院卒:17名、大卒:5名)が合格という嬉しい知らせが届いています。

 次回のメールマガジン(9月号)では、私が所属しているキャリア支援センターが所掌している業務や、学生たちの就職活動等についてお伝えします。

                          (東京海洋大学 特任教授)

 

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