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2023.09.01 13:57

学生たちの望ましい自己実現を目指して(Ⅱ)~キャリア支援センターの業務、学生たちの就職活動~

鈴木 光俊(34漁生)

 前回のメールマガジン(8月号)に引き続き、今回は私が所属しているキャリア支援センターの所掌業務と、学生たちの就職活動等についてご説明いたします。

1.キャリア支援センターが所掌する業務

1)就職活動支援業務

 ①進路に関する個別相談
  進路活動に関する相談活動が主たる職務ですが、エントリーシートの添削や面接練習など、就職活動
  全般について、専任のキャリア・アドバイザーによる個別相談を実施しています。

 ②OB・OG名簿の資料提供(在学生のみ)
  現在の就職活動は情報戦です。「働く」ということが初めての学生にとって、OB、OGの皆様からの
  情報は大変貴重です。それによって学生たちは、職場や職種の具体的なイメージを作ったり、面接等に
  向けた準備を進めます。

 ③就職関連書籍の閲覧と貸出(窓口)

 ④就職参考資料の閲覧(窓口)

 ⑤学生向けガイダンス、ワークショップ等の企画・立案・実施
  就職支援サービスや求人サイトに企画だけでなく、本学教員による「水産職公務員ガイダンス」や、
  キャリア・アドバイザーによる就活ワークショップ等も実施しています。

 ⑥就職支援サービスや求人サイトを運営する企業との連絡・調整

 ⑦求人先との各種連絡、調整

 ⑧各種データの集計、分析

 ⑨News Letter等の発行

2)キャリア関連の講義

 ①キャリア形成論Ⅰ(学部1年次生対象、選択科目)
    「キャリアデザインとは自分らしい働き方を考え、人生の道筋を決めること」であり、講義ではその
  意味を理解し、将来、自分が望む就職を実現させるためにも、学生から社会人への視点を意識して、
  日々学びの学生生活を実践することを目指します(全8回)。

 ②キャリア形成論Ⅱ(学部3年次生対象、選択科目)
  「自己理解」と「環境変化の認識」に基づいて、自分自身のキャリアをデザインするため、キャリア
  設計能力を高めキャリアデザインを行うとともに、コミュニケーション力や自己表現力を高めて、学生
  の「就業力」向上を目指します(全8回)。

 ③高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱ(博士前期課程及び博士後期課程対象、選択科目)
  大学卒業後の進路や生き方を考えることを主題としますが、そのプロセスで今を大切にし、学業を本分
  とし、学生生活をいかに充実させるかの重要さを認識することを目指します(全10回)。

 上記3つの講義の中では、各界で活躍している経験豊富な講演者(水産大・海洋大卒業のOB・OG)から、直接話を聴く機会を設けています。

3)一般社団法人「楽水会」との連携事業

 ①ランチセミナー」への参加促進
  「楽水会ランチセミナー」の聴講を、「キャリア形成論Ⅰ」の講義の一部に充てています。諸先輩方の
  経験を拝聴することで、「良いモデル」を提示していただき、進路学習に向けた自己効力を向上させる
  ことができます。

 ②学生対象の合同企業就職相談会(※令和6年1月17日(水)~18日(木))
  合同企業就職相談会へのご協力を、よろしくお願いいたします。

2.学生たちが行っている就職活動の状況等について

 私は水産専攻科に進学したので、就職活動の開始は、専攻科に進学した年の初夏の頃だったと思います。研究室の先生に希望の会社へ連絡を入れていただき、指定された日時に面接を受けていました。今のような解説本はなかったので、想定問答を作りました。「自分の専攻を英語で説明させられるぞ。」という情報が入ると、拙い英語で原稿を作り、また面接日の株価を覚えて行ったものです。

 それに比べると、現在の学生の就職活動は大変です。学部学生の場合、具体的な就職活動は3年生の夏、「インターンシップ」という型でスタートします。就職支援サービスや求人サイト等からその情報は提供されていますが、学生自ら探すのが一般的です。また、インターンシップに参加するためには、エントリーシートの作成・提出、動画選考、面接等により、当該企業の選考を受けなければなりません。その段階で、選考に漏れることもあります。学生にとっては、業界・企業理解を深める機会ですし、それが本選考の一助になる可能性もあります。

 政府は、大学4年の6月1日以降に選考作業を実施することを経済界に要請していますが、景気回復による人手不足や将来の労働人口減少を見越した動きから、早期選考を実施している企業が多く、令和5年度は5月15日時点で72.1%の学生に内々定が出ているという報道があり、本学の学生でも、早ければ4年生に進級した4月上旬には内々定が出ています。本選考にはエントリーシート、SPI検査、面接等が課されることが一般的であり、また一人が複数の会社にエントリーすることが、学生たちの大きな負担になっています。この自分の進路を決める時期は、年々どんどん早くなっており、学生たちは自己理解、業界・企業研究も早めなければなりません。

 学生たちの望ましい自己実現のためには、諸先輩方のご支援が大いに必要になります。是非ご指導、ご協力、ご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。ご意見、ご提案、情報提供等がございましたら、鈴木(msuz004@kaiyodai.ac.jp)までご一報賜りますと幸いです。

               (東京海洋大学 キャリア支援センター 特任教授)

 

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